よこはまの司法書士日記

ブログをご覧いただきありがとうございます。横浜市瀬谷区の司法書士です。HPはこちらhttps://oasis-lawoffice.com/

遅延損害金の計算ツール

こんにちは。司法書士の廣澤です。

 

遅延損害金と利息の計算がややこしすぎて困っている方はいないでしょうか。

便利ツールを見つけたので共有しておきます。

 

法務省:遅延損害金計算ソフトウェアのダウンロードについて

 

期限の利益喪失の特約がある場合などは弁済期はいつになるの?という実務上のちょっとした悩みもあると思いますが、ほとんど面倒な計算部分はこのソフトでなんとかなります。

 

ちなみに、供託書に書く遅延損害金については、小数点第3位まで記入が必要だそうで、供託官から指摘されました。

 

こういう便利ツールはどんどん世にだしてほしいですね。ありがとうございます。 

 

では、今日はこのへんで。

 

 

生活保護費の計算

こんにちは。司法書士の廣澤です。

 

今日も後見のことで。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/000776372.pdf

 

以前、後見業務で生活保護申請が却下されました。

 

しかし、上記表の計算をしてみたところ、提示された最低生活費よりも、最低生活費はもっと多いのでは?という疑問があり、役所で聞いてみました。

 

回答としては、入院した場合や区分等で計算式が変化するとのことです。では、計算が苦手な人は、実際に申請してみないことには申請がとおるかわからないということでは?とあきらめていたところ、次のようなソフトを発見しましたので共有しておきます。

 

http://kobekoubora.life.coocan.jp/saiteiseikatuhikeisan.html

 

このツールを使うと、簡単に実際の最低生活費をはじき出すことができます。

いやー、こういったツールって便利ですね。

 

では、今日はこのへんで。

 

 

葬儀社の選定

こんにちは。司法書士の廣澤です。

 

最近、後見業務で不思議に思ったことがあります。

 

横浜市の病院や施設で、ご本人がお亡くなりになった際の葬儀社についてどこか提携はあるか尋ねると、きまって同じ葬儀社を紹介されます。

 

「紹介料は受け取っていない」と担当の方は言っていましたが、では、なんなのでしょうね。

 

社会福祉法人ではなく、株式会社が運営する介護施設しかり、葬儀社にしても、それぞれなんとなく怪しい感じがするので、いろいろと調べてみて、また、何か分かれば記事にしようと思います。 

 

今日はこのへんで。

 

 

 

 

 

 

 

法務省通達

こんにちは。司法書士の廣澤です。

 

法務省が最近の通達などをまとめてくれたようです。

 

法務省:不動産登記関係の主な通達等

 

とくに、租税特別措置法第84条の2の3第2項は実務で使う場面が増えましたね。 

被相続人様が私道をお持ちだった場合は、ほぼほぼ該当するのではないでしょうか。

 

私はもう「そぜい」と打ち込むと、単語登録で「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」がでてくるようにしています。

 

登録免許税1000円、2000円の世界ではありますが、割引がなにもないよりはよいですね。

 

では、今日はこの辺で。

 

 

 

法定相続情報証明

こんにちは。司法書士の廣澤です。

 

法定相続情報一覧図という便利な制度ですが、最近、家裁に対して申立てを行う場合に、法定相続情報一覧図を提出すると次のようなことを言われました。

 

「相続人が生存しているか確認するため、相続人の現在戸籍の原本を添付してください」

 

どんな時にこのようなことを言われるかというと、法定相続情報一覧図の作成日から相当期間が経過している場合です。(管轄によっては期間が経過してなくても必要かもしれませんが) 

 

法定相続情報作成当時には、相続人が生存していたということが分かったとしても、現時点で生存しているかはわからないためということですね。

 

家裁としては通知を行う際に相続人がすでに亡くなっていた場合、さらにその相続人に対して通知しなければなりませんから、当然といえば当然ですね。すっかり見逃しておりました。

 

しかし、法定相続情報証明にも期間制限があるとなると、相続手続きにおいてはまだまだ面倒なところが残っているなぁと思った次第でした。

 

今日はこのへんで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

認知症不動産専門の買い取りサービス

こんにちは、司法書士の廣澤です。

 

最近、恐ろしいサービスをネットで見つけましたので、注意喚起のために記事を書いています。

 

 

認知症不動産専門の買い取りサービス!?

 

インターネットでびっくりする宣伝をしている事業者がいました。

 

司法書士に登記を拒否された方、登記を本人申請で行って弊社で買い取ります。」

 

 

 

この広告の何が恐ろしいのか、簡単にご説明します。 

 

まず、民法には次のように定められています。 

第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

 

よって、司法書士は不動産の取引の際、売主の判断力に問題ありと判断した場合、登記申請を拒否する事があります。認知症の疑いがある方の売買はストップするということです。登記申請以前にその売買契約が無効である可能性があるからです。

 

シンプルに考えてみても、売ることを理解することができない方の周囲の親族等が同意したからといって不動産売却をすすめてしまうのは、本人から不動産を奪っているのと変わりませんよね。

 

上記宣伝の趣旨は、意思能力が全くなかったとは言えない状況の時に契約をしたのだとして、手続きを行うという事だと思います。司法書士は医師ではないので、本人の意思能力を正確に診断することなどはできませんからね。方法としては、かかりつけ医師の診断書を取得すること等が考えられますが、実際にすべての事業者がそこまで行っているかは疑問です。

 

 

 

では実際に契約当時、本人の判断力が全くなかったのにもかかわらず、売買をすすめてしまった場合、どうなってしまうでしょうか?

 

答えは条文どおり、どこまでいっても無効です。もちろん、その登記も無効です。

その他、問題点が多すぎるので、重要なところを箇条書きにしてみました。

 

 

 

1.買取り事業者が継続的に業として登記申請を行うことは、登記手続きは本人申請が許されているので、その傘の下ではグレーですが、以前同様の事業者が逮捕されていたことなどからも、司法書士法違反である可能性が高いといえます。つまり、高確率で犯罪組織です。

 

2.こういった不動産事業者の買取り価格は、まず間違いなく適正な価格でもないでしょう。売主にとっても関わる事自体がデメリットです。

 

3.認知症のAさん→買取業者→Bさん→Cさんと不動産が渡ったとしても、認知症Aさんの症状にもよりますが、買取り業者との契約はいつまでも無効なので、利害関係者のどなたかが無効主張した瞬間、あっという間に泥沼化するでしょう。

 

4.恐らく、Bさん、Cさんが損害賠償請求をする頃には、買取業者は倒産するなどしていると思いますから、不動産を購入する際には、これまで以上に注意しなければならなくなります。こういう事業者が今後増えれば、不動産の登記簿は全く信用できないという事になるでしょう。

 

5.認知症のAさん→不動産屋が買取り→Cさんに転売後、不動産屋がすぐに倒産、そのタイミングでAさんの親族が契約を無効主張し、不動産屋にはお金を返さず、Cさんだけ住宅ローンだけが残り、不動産もAさんに奪われ泣き寝入りという通謀虚偽表示のスキームを提案する事業者も出てくる可能性があります。

 

 

簡単にまとめると、将来にわたってその不動産は訴訟リスクが高い状態が続くという事です。しかも、買主はそれを調べるのが難しいというオマケつきです。

 

登記は本人申請が原則可能で、かつインターネットが発達していますから、こういう事業者も出てくるのではと思っていましたが、ついに出てきましたね!(昔からいたのかもしれませんが…)

 

 

買主が被害にあわないために、考えられる対策 

1.不動産を買うときは、登記簿の確認だけでは足りない。徹底的に売主を調べる。

2.不動産買取りを上記手法で行う業者からは、不動産を買わない。 

3.士業がダメだといったことを、安易に行わない。

4.売り主に、過去の売主の情報についても説明義務を課すなど特約をつける。

5.過去に不動産の所有権移転登記が本人申請で行われたものかどうかを確認する。

 

実際には難しいものも含まれますね…。

では、今日はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人遺産分割協議と中間省略

 

こんにちは。司法書士の廣澤です。今日は実務の事でも。

 

数次相続の場合で相続人が1名のケースでは、次の有名な判決があります。

 

所有権の登記名義人甲が死亡し,甲の法定相続人が乙及び丙のみである場合において,甲の遺産の分割の協議がされないまま乙が死亡し,乙の法定相続人が丙のみであるときは,丙は甲の遺産の分割をする余地はないことから,丙が甲及び乙の死後に甲の遺産である不動産の共有持分を直接全て相続し,取得したことを内容とする丙が作成した書面は,登記原因証明情報としての適格性を欠く(東京高裁平成26年9月30日判決及び東京地裁平成26年3月13日判決)

 

いわゆる、一人遺産分割協議の禁止ですね。

昭和30年通達で、単独相続の場合は中間省略登記が認められているところ、遺産分割協議が禁止されてしまうとなると、相続登記は次の2つの申請が必要になってしまいます。

 

(例)

平成1年 A死亡 相続人BC 

令和2年 B死亡 相続人C

 

①BC共有とする所有権移転登記

②Cを所有者とする持分全部移転登記 

 

そうです。このままだと、相続人が1名の場合だけ①の登録免許税が発生することになってしまいます。祖税特別措置法第84条の2の3第1項を使えば建物についてのみの支払いにはなるものの、他に方法はないでしょうか。

 

結論からいうと、上記事例でBが生きている間に、Cが不動産を取得することを話し合っていたというケースであれば、一人遺産分割証明書を作成することで、1度の登記のみとすることが可能です。過去、協議がすでに調っていたことをCが証明するという事です。協議は無理ですが証明は可能という理屈ですね。

 

このように記載してはいるものの、私は一度ミスをしてしまい、依頼者様にご迷惑をおかけしてしまったことがあります。その際は快くご対応いただき事なきを経ましたが、こういった先例には気を付けたいところです。

 

では、今日はこの辺で。