こんにちは。司法書士の廣澤です。
今日は、個人的に気になったテーマ「児童福祉法と里親」について。
注目されるキッカケになったのは、児童福祉法の平成28年の改正のようです。
国が、社会的養護を必要とする子供の9割が施設に入所している現状を変えるため、里親を支援する方向に舵を切っています。児童には特定の大人との関係が必要で、これがないと愛着障害を起こしてしまうといい、「児童は愛情をもって育てなければならない」という考えがベースにあるようです。
実際、平成22年度末から施設入所者数が減少し、里親委託率が12%から22%に増加しています。
神奈川県:里親について
以下は、里親の類型です。
①養育里親 … 養子縁組をしている里親と区別した名称。研修や条件あり。※養育期間は5年まで(更新あり)
②専門里親 … 虐待を受けた子供、障害のある子どもなど、専門的な援助を必要とする子供を養育する里親 ※養育期間は2年まで(更新あり)
③養子縁組里親 … 戸籍上も養親子関係とする里親
④親族里親 … 三親等内の親族が里親委託されるもので、里親手当は支給されない。
基本的には、児童相談所にて、面接・研修を受けて、知事・市長の認定・登録を受けたのち、養育里親になるという流れのようです。研修は10日程度と短いですね。里親の最低基準はこちらに記載されています。里親が行う養育に関する最低基準
里親の具体的な支援については、次の資料に記載があります。
厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課:里親制度(資料集)[PDF形式:433KB]
ボランティアではなく、当分の間は、事業の一環のようなものだということですね。約月15万円の児童手当及び養育費が支給されます。ただし、もちろん、愛情をもって育てることができるのか?というのが重要な判断基準となるのでしょう。
制度自体は、今のところ性善説のようですが、研修制度やその条件については、今後さらに厳格になっていくのでしょうね。今のところ、推進したいあまり、かなりふるいが甘いように感じます。児童が利用されなければよいですが。
とはいえ、自分の子供を自分で育てるというのが不可能な家庭というのは常に存在しますし、社会的には、その構成員が全員で分け隔てなく血のつながりとは無関係に、子供を健やかに育てられたほうが良いですから、大切な制度ですね。
では、今日はこの辺で。
埼玉県:里親制度Q&A